車の傷修理で色が合わない?補修塗装の調色の仕組みと直し方のポイント

車の傷を塗装で直すとき、いちばん気になるのが「補修した部分だけ色が違って見えないか」ということではないでしょうか。せっかく傷を直しても、そこだけ色が浮いて見えてしまっては、満足のいく仕上がりとはいえません。

実は、車の色合わせは、同じ色番号の塗料を塗れば済む、という単純な作業ではありません。車の色は、年数による変化や、光の当たり方、塗装の層の構造など、さまざまな要素によって見え方が変わります。そのため、補修の際には、「調色」と呼ばれる、色を微調整する作業が重要になります。

この記事では、車の補修塗装で色が合わなくなる理由、調色の仕組み、色をきれいになじませるためのポイントを整理します。補修塗装の仕上がりに満足するために、知っておきたい知識として、ぜひ参考にしてください。

目次

車の色が「合わない」と感じる理由

車の色は、年数とともに少しずつ変化する

車の塗装は、紫外線や雨、熱などの影響を受けて、時間とともに少しずつ変化します。新車のときと比べて、色がわずかにくすんだり、艶が落ちたりしていることがあります。新車時の色をそのまま再現した塗料で補修すると、周囲の塗装より鮮やかに見えて、色の差が出ることがあります。

光の当たり方で、見え方が変わる

同じ色でも、太陽光の下、日陰、蛍光灯の下では、見え方が異なります。パールやメタリックの塗装は、粒子が光を反射するため、見る角度によって、色の深みや輝きが変わって見えます。補修した部分と、元の塗装で、光の反射の仕方に差があると、色が合っていないと感じやすくなります。

塗装の層の構造によって、色の奥行きが変わる

車の塗装は、下地、色の層、クリア層と、複数の層が重なっています。パールやマイカなどの色は、さらに追加の層を重ねて、独特の深みを出しています。補修のときに、この層の重なりを再現できないと、色の奥行きが違って見えることがあります。

塗装の色合わせの様子

調色とは?色合わせの仕組み

調色とは、車の現在の色に合わせて、塗料を調合する作業です。車には、色を示す番号(カラーコード)がありますが、この番号の塗料をそのまま使うのではなく、実際の車体の色を見て、わずかな差を調整していきます。

調色では、色の三要素である、色相(色合い)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)を、微調整していきます。少量ずつ色を足しながら、実際の車体に当てて見比べ、光の当たり方を変えながら確認する、地道な作業の繰り返しです。経験や技術によって、仕上がりに差が出る工程でもあります。

要素内容補修への影響
カラーコード車の色を示す番号基準になるが、年数による変化は反映されない
色相・明度・彩度色の合い、明るさ、鮮やかさ調色で微調整し、車体の現在の色に近づける
光の当たり方太陽光、日陰、照明などで見え方が変わる複数の光で確認し、なじみを確かめる
パール・メタリックの粒子光を反射し、角度で色が変わる粒子の入り方も合わせる必要があり、調色が難しい
塗装の層の構造下地、色、クリア層の重なり層を重ねる方法まで揃えて、色の深みを再現する

補修塗装をきれいになじませるためのポイント

パネルの境目を活用して塗装範囲を決める

補修した部分と元の塗装の境目が、目立たないようにするためには、塗装範囲の決め方が重要です。パネルの継ぎ目や、プレスラインの部分で塗装を区切ると、色の違いが目立ちにくくなります。傷の範囲が小さくても、境目を自然にするために、少し広めに塗装することもあります。

ぼかしの技術で、周囲との差をなじませる

補修した部分と周囲の境目を、少しずつぼかしながら塗装する技術があります。色の濃さや艶が、少しずつ変化するように仕上げることで、境目が見えにくくなります。この技術は、経験が仕上がりに表れやすい部分です。

艶や質感を周囲に合わせる

色だけでなく、艶の具合や質感も、周囲の塗装と合わせることが大切です。補修した部分だけが、艶が強すぎたり、弱すぎたりすると、色が合っていても、違和感が出てしまいます。仕上げの磨きで、艶を調整して、周囲となじませます。

傷の状態を撮影して確認する様子

色合わせが難しい色と、そうでない色

色合わせの難しさは、車の色によって大きく異なります。ホワイトやブラック、シルバーなどのソリッドと呼ばれる単色の塗装は、比較的、色合わせがしやすい傾向があります。一方で、パールホワイトやマイカ、メタリックなどの色は、光の反射や層の構造が複雑なため、調色に高い技術と経験が求められます。

また、年数がたった車は、色の変化が大きいため、新車時の色番号だけでは合わせにくくなります。経年変化を見極めて、現在の車体の色に合わせて調色することが、きれいな仕上がりにつながります。

補修塗装の仕上がりに満足するための、相談のポイント

仕上がりに満足するためには、事前の相談も大切です。傷の場所や大きさだけでなく、色の仕上がりについて、どの程度のこだわりがあるかを、伝えておくとよいでしょう。たとえば、「少し離れて見て、わからなければ十分」という場合と、「近くで見ても色の差が気にならないようにしたい」という場合では、補修の進め方や範囲が変わることがあります。

また、車の色の種類(パール、メタリックなど)や、年式、保管環境(屋外か屋内か)なども、色の状態を判断する手がかりになります。写真を撮って送っていただく場合は、明るい屋外で、複数の角度から撮影しておくと、色の状態が伝わりやすくなります。

調色の工程は、どのように進むのか

工場での調色は、まず車体の色を確認し、カラーコードをもとに、基準となる塗料を用意するところから始まります。次に、実際の車体の色と見比べながら、色の成分を少しずつ足し、わずかな差を埋めていきます。調色した塗料は、小さな板などに試し塗りをして、乾いたあとの色を確認します。塗料は、乾く前と乾いたあとで色が変わるため、乾燥後の状態で比べることが大切です。

試し塗りの色を、車体に当てて、日なたや日陰など、複数の光の下で確認します。色が合っていなければ、さらに調整を重ね、納得のいく色ができるまで、この工程を繰り返します。この地道な作業が、補修の仕上がりを大きく左右します。

補足|補修塗装の色合わせで知っておきたい注意点とポイント

補修したあとの、色の変化について

補修塗装を行った部分と、元の塗装は、年数がたつにつれて、色の変化の仕方が異なることがあります。新しく塗装した部分は、紫外線や雨風の影響を、塗装直後から受け始めるため、周囲の古い塗装とは、劣化の進み方が異なる場合があるためです。通常の使用では、大きな差が出ることは少ないですが、数年後に、わずかな色の差を感じることもあります。

こうした変化を、できるだけ抑えるためには、日ごろのお手入れも大切です。洗車で汚れをこまめに落とし、直射日光や雨に長時間さらされない環境で保管することで、塗装の劣化をゆるやかにできます。

補修の色合わせに、写真で相談するときのコツ

色合わせについて、写真で相談する場合は、撮影の条件が大切です。明るい屋外で、直射日光が強すぎない時間帯に、車体全体と、傷の部分を、複数の角度から撮影しましょう。光の当たり方によって、色の見え方が変わるため、日なたと日陰の両方で撮ると、色の状態が伝わりやすくなります。

写真は、実際の色と、画面で見える色が異なることがあるため、あくまで目安になります。写真でおおよその状態を確認したうえで、実際の車を見て、色の状態を判断するのが、確実な方法です。

色の仕上がりに不安があるときの、確認ポイント

色の仕上がりに不安があるときは、事前に、補修の範囲や、なじませ方について、質問しておくとよいでしょう。どこまで塗装するのか、境目をどのように処理するのか、仕上がりの確認はいつ行うのかなどを、確認しておくと、安心です。引き渡しの際には、日なたの下で、実際に色を見て確認しましょう。

もし、引き渡し後に、色の違いが気になった場合は、遠慮せずに相談しましょう。誠実に対応してくれる工場かどうかも、工場を選ぶうえでの大切なポイントです。

補修塗装の色が合わないと感じたときの対処

補修塗装のあとに、「色が少し違って見える」と感じたら、まず、見る場所や光の条件を変えて、確認してみましょう。日なたと日陰、朝と夕方、屋外と屋内で、色の見え方は変わります。複数の条件で確認して、それでも気になる差がある場合は、工場に相談してください。

色の差が気になった場合は、その状態を写真に残して、どのような光の条件で気になるのかを、伝えると、状況を把握しやすくなります。誠実に対応してくれる工場かどうかが、補修を依頼するうえでの安心につながります。依頼前に、仕上がりの確認方法や、アフターの対応についても、聞いておくとよいでしょう。

補修範囲と色合わせの関係

補修範囲と色合わせは、密接に関係しています。補修する範囲が広いほど、元の塗装との境目が、長くなるため、色の差が目立ちにくいよう、ぼかしの作業が増えます。逆に、小さな範囲だけを補修すると、境目が短くなる反面、周囲との色の差が、そのまま目立つことがあります。

色合わせのしやすさと、補修範囲のバランスを考えて、塗装の範囲を決めることが、仕上がりに大きく影響します。傷が小さくても、仕上がりを重視する場合は、少し広めに塗装する提案をされることがあるのは、このためです。

補修塗装の色合わせを、事前に確認するためのポイント

補修塗装を依頼する前に、色合わせについて、確認しておきたいポイントがあります。まず、車の色の種類(ソリッド、メタリック、パールなど)と、色番号をお伝えしましょう。次に、補修する範囲と、仕上がりの希望を相談します。さらに、引き渡しの際に、仕上がりをどのように確認できるかも、聞いておくと安心です。

これらを事前に確認しておけば、補修後の「思っていたのと違う」という行き違いを、避けやすくなります。ご不明な点は、遠慮なく質問して、納得のうえで、補修を進めましょう。

色合わせが難しい車でも、仕上がりに満足するために

パールやメタリックなど、色合わせが難しい車でも、仕上がりに満足するための工夫があります。ひとつは、補修の範囲を、パネルの境目まで広げて、色の差が目立たないようにする方法です。もうひとつは、色の見え方を、複数の光の条件で確認しながら、調色を重ねる方法です。

難しい色ほど、工場の経験や技術が、仕上がりに大きく影響します。色合わせについて、どのように進めるのか、事前に確認しておくと安心です。仕上がりへの希望も、遠慮なく伝えてください。

色合わせの相談で、伝えておくと役立つ情報

色合わせについて相談するときは、車の色の名前や、色番号がわかれば、あわせて伝えましょう。色番号は、車体のプレートや、取扱説明書で確認できます。年式や、保管環境(屋外か屋内か)も、色の状態を判断する手がかりになります。

過去に、補修塗装をしたことがある場合は、その箇所と時期も伝えておくと、色の状態を把握しやすくなります。補修した部分は、周囲と色が異なっていることがあり、新たな補修の際の色合わせに、影響するためです。

補修塗装の色合わせを、長く保つためのお手入れ

補修塗装の色合わせの仕上がりを、長く保つには、日ごろのお手入れが大切です。紫外線は、塗装の色あせの原因となるため、屋根のある駐車場を選ぶ、ボディカバーを使うなど、日差しを避ける工夫をしましょう。洗車は、汚れが固着する前に、こまめに行います。

補修した部分と周囲の塗装は、年数がたつにつれて、同じように変化していきます。丁寧にお手入れを続けることで、色の差が目立ちにくい状態を、長く保てます。

補修した部分だけ、色が違って見えることはありますか。

調色や、周囲とのなじませ作業を丁寧に行うことで、差を目立たなくするよう努めます。パールやメタリックなどの複雑な色は、特に慎重な作業が必要です。

色の番号がわかれば、色は完全に合いますか。

色の番号は、基準になりますが、年数による変化までは反映されません。実際の車体の色を見ながら、微調整して合わせます。

小さな傷でも、広めに塗装することがあるのはなぜですか。

補修した部分と、周囲との境目をなじませるためです。仕上がりの自然さを優先するために、傷の範囲より広めに塗装することがあります。

色の仕上がりについて、事前に相談できますか。

はい、事前にご相談ください。ご希望の仕上がりに合わせて、直し方をご案内します。

見積もりだけでも大丈夫ですか。

もちろん大丈夫です。直すかどうか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。

まとめ|色合わせは、調色となじませの技術が仕上がりを左右する

車の補修塗装で色が合わなくなるのは、年数による変化や、光の当たり方、塗装の層の構造などが、複雑に影響しているためです。調色で車体の現在の色に合わせ、パネルの境目やぼかしの技術で周囲となじませることで、補修の跡を目立たなくできます。仕上がりへの希望は、事前にしっかり伝えておくと安心です。

ガレージグレイスでは、小さな傷の補修から、へこみの補修、鈑金・塗装まで承っています。補修塗装の色合わせが気になる方も、まず写真でのご相談から、お気軽にどうぞ。

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